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構成は二種類 |
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日本語の『音』の構成は、大きくわけて二つ。
発音の基礎となる母音。
そして、この母音の対立概念となる子音。
日本語は母音と子音の組み合わせによってさまざまな『音』を出していくわけですが、その音色は『舌の形(舌の高低)』と、『唇の形(舌の前後)』よって決まります。
ここで、下の図を見てみましょう。
一見『?』な図ですが、コレが『日本語の音構造』、つまり「口の開きと舌の位置」を表現したものです。
かなり複雑怪奇ですが、日本語を喋れる方は全員、この図で表現している内容のコトをこなせているというコトで…
スゴいぞ、我々!(笑) |
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日本語の音構造 |
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◆ 数は111 |
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日本語の音節数は、学者により数え方が異なりますが、全部で111ぐらいあります。
音節とは、1個の母音を音節主音とし、その母音単独で、あるいはその母音の前後に1個または複数個の子音を伴って構成する音声(群)で、音声の聞こえの一種のまとまりを言います。
なお、音節の法則として
『1音節を構成する子音は母音の前後にそれぞれ複数個存在してもよいが、母音は二重母音などの多重母音ではあり得ても、1音節内に異なる母音が複数個存在することはあり得ない』
というものがあります。
この中で、母音で終わる音節を開音節(かいおんせつ)、子音で終わる音節を閉音節(へいおんせつ)と言います。
さて。日本語の何かの『音』をずっと伸ばして発音した時、最後に母音のどれか1つで終わります。
つまり、日本語は『開音節言語』という特徴を持っている、ということなんです。
さらに、 日本語の多くの方言がモーラ(日本語学では一般に「拍」と言われます)。をもち、日本語を仮名書きしたとき、「ぁ」「ぃ」「ぅ」「ぇ」「ぉ」「ゃ」「ゅ」「ょ」といった小さい仮名(「っ」を除く)以外のすべての仮名は、全て基本的に同じ長さで発音されます。
例えば、
「チョコレート」だったら『チョ』『コ』『レ』『ー』『ト』で5モーラ。
「キッチン」は、『キ『ッ』『チ』『ン』の4モーラ。
というワケですね。
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◆ アクセントは独特 |
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アクセントとは、語に特有で不可欠な『ストレス(強弱)』、または『ピッチ(高低)』の配列のことであり、その機能として統語機能と弁別機能の二種類が考えられます。
アクセントが存在することによって文は語の単位で「塊り」や「山」として感知されやすくなり、文の理解の助けとなります。これを「アクセントの統語機能」と呼びます。
また、同じ音声(分節素)の配列であってもアクセントが異なることによって別の語として認識できます。それによって同音異義を避け、音節数の節約もできるのです。これを「アクセントの弁別機能」と呼びます。
もっとも、言語によっては全ての語のアクセントの形が同じで、結果的に弁別機能を持たないこともありますが、その場合でもアクセントは無意味なのではなく、その統語機能によって言語の機能は増大していると考えられます。
日本語のアクセントはピッチアクセントです。
もちろん、日本語の発話には強弱も伴っていますが、それは語に特有でも不可欠でもないのでアクセントとは関係がありません。
さて、高低アクセントは東アジアでは日本語以外に、韓国語、中国語、蒙古語などに用いられますが、日本語のように『高低アクセントのみ』で言語表現する言葉は珍しく、世界の例を見てもわずかしかないそうです。
ですが、最近『言語の平板化』のように、折角の『高低アクセント』にも乱れが出てきてしまいました。
二種類しかない「変化」がなくなったら…日本語は一体どうなってしまうんでしょう??
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