Japanese Accent
 
日本語の発音

◆◇ 日本語のアクセント ◇◆


アクセントの種類


日本語のアクセントで、代表的なものは『東京アクセント』と『京阪アクセント(関西アクセント)』が挙げられます。

東京アクセントはいわゆる標準語のアクセントであり、茨城県と栃木県(足利市付近を除く)以外の関東地方のほか、北海道・東海地方・中国地方・九州東北部などで行われます。
京阪アクセントは近畿地方の大部分のほか、四国・北陸地方の一部のほか、佐渡などで行われます。

東京アクセントと京阪アクセントの地域の境目となる地域では、京阪アクセントの変形の一種である垂井式アクセントが行われ、そのような地域には岐阜県垂井町、兵庫県但馬地方南東部があります。
また九州西南部や沖縄本島南部、かつての埼玉県及び東京都の葛飾郡・埼玉郡域などでは特殊アクセントが行われています。

ところで。
何故東京アクセントが日本語の『標準アクセント』になったのか、というと、 明治時代に政府が国語を統一化するために標準語を策定した際、その時基準とした言語のアクセントがそのまま『標準アクセント』になったとか。
ちなみに、当時富裕層が多く住んでいた、東京山の手エリアの言葉を『標準』としたそうなので、日本の「標準語」って、実はこっそり「ハイソサエティ」なのかもしれません。


…なワケないか(苦笑)

アクセントのパターン

標準語では、頭高型、中高型、尾高型、平板型の4種類のパターンが存在します(この内、平板型以外のアクセントを起伏型とも呼びます)。

・頭高型(あたまだかがた)
  ⇒最初の音節が高く、それ以降の音節が低い場合。
    例:「カラス」(\_)
・中高型(なかだかがた)
  ⇒最初の音節は低く、次以降の音節が高くなり、単語の終   わりまでにまた低くなる場合。
    例:「タマゴ」(/\)
・尾高型(おだかがた)
  ⇒最初の音節は低く、それ以降の音節は高いが、後に続く   助詞が低くなる場合。
    例:「オトコ(が)」(/ ̄(\))
・平板型(へいばんがた)
  ⇒最初の音節が低く、助詞も含めそれ以降の音節が高くな   る場合。
   例:「オトナ(が)」(/ ̄( ̄))

高低2段階に分けるのはあくまでも模式的なものであり、日本語の音節が2種類のピッチしか持たないわけではありません。
例えば、平板アクセントの語で最初の音節が低く以降が高く発音されるといっても、その高い音節は全て同じ高さではなく、後ろへ行くほど僅かずつ低くなっていきます。ただ、単語のアクセントを考えるときには単純化のため僅かずつ低くなる現象を無視して2段階で考えるわけですね。

ちなみに、標準語のアクセントでは語頭の音節と次の音節は必ずピッチが異なります。このことにより語の始まりが聴覚上明らかになるわけです。また、一度下がったピッチが再び上がることはありません。
この法則はすべての日本語方言に当てはまるわけではありませんが、ちょっと面白いでしょ?

アクセント・いろいろ
単語のアクセントは二段階で考えられますが、『文』になるとそうは行きません。
例えば、『○○銀行』や『放送協会』のような複合名詞のアクセントは中高型になり、アクセントの核は後ろの語の頭に置かれたり、助詞がつくことによって、今まで頭高型だった名詞が平板化して発音しなければならなかったり(これを『名詞の平板化現象』と言います)、意外に複雑な動きをしてくれます。

さて、文として発音した場合は、文頭、意味のまとまりの先頭、および話者が強調した語の先頭以外ではピッチの上がり目が失われます。
「失われる」というと悪いことのようですが、このことにより意味のまとまりを示す機能を果たしているのです。
何しろ、すべての上がり目をきちんと発音すると、不自然であるだけでなく文がブツ切りになってしまい、意味が取りにくくなってしまいます。標準語のアクセントで同音異義語の弁別に役立っているのはピッチの下がり目だけなので、ピッチの上がり目が無くなっても同音異義語の弁別が失われることはありません。

ちなみに、文を構成し分かりやすくする為に、ピッチが多段階に下がることをダウンステップといいます。
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参考: ウィキペディアフリー百科辞典