Origin of Japanese
 
日本語の由来

●○ そ の 他 ○●


表記


日本語の口語は時代とともに、また地域によりさまざまに変化してい
きましたが、『文字』を使って表現する【文語】は、長年平安時代に確立した文法に沿って来ました。

日本語には地域の方言があり、ところどころで差異が見られますが、表記の際は方言の差に関係なく日本全国でほぼ同じ文字、文法で書かれるという特徴があり、方言に伴って表記も変化する英語や中国語などと大きく異なっています。
これは、日本語の表記法が元々無く、かな文字が誕生するまで表記は漢字(万葉仮名)に頼っていたため、その流れが今でも続いているものと考えられています。

日本語表記に使われる文字は、主に表音文字の平仮名・片仮名、表意文字の漢字であり、アラビア数字やアルファベットなども併用されます。
この、表記における多様性は、近隣諸国の言語でも、表意文字の漢字を主とする中国語、表音文字のハングルを主とする朝鮮語とは顕著な違いを見せています。

ところで、

日本の歴史の中に何回も漢字を廃止しようという動きがありましたが、「(仮名だけだと)文字数がかさばる」、「同音異義語が多すぎる」などの理由からか、なかなか浸透していません。
実際、「これから漢字は使用禁止!」というようなことになったら…かなり困ってしまいますよね(苦笑)

辞典


『日本語』を調べる時のお役立ちアイテムといえば、辞典。
蛇足かもしれませんが、ちょっとこの『辞典』についてもお話しましょう。

日本最古の辞典は、平安時代中期に編纂された『和名類聚抄』とされています。
室町時代には、読み書きが広い階層へ普及し始めたことを背景に、『下学集』・『聚分韻略』・『節用集』などの辞典が編まれました。
更に、安土桃山時代最末期には、イエズス会のキリスト教宣教師により日葡辞書が作成され、江戸時代には、室町期の節用集や往来物を元にして非常に多数の辞典が編集・発行されています。
意外に、辞典の歴史は長いんですね。

近代的な文法理論に則った最初の日本語辞典は、江戸出身の国語学者・大槻文彦(1847-1928)の『言海』(のちに『大言海』)とされます。
『言海』は、その後の日本語辞典の模範的存在となりましたが、そこで採用された発音表記は、その後の辞書にはほとんど継承されませんでした。この原因は、辞書の使用者として日本人を想定したこと、仮名が表音文字であるため「仮名表記=発音表記」という誤った観念が浸透したこと、などが挙げられます。

戦後は、国民的辞典として名高い『広辞苑』(ただし定義に問題が少なくないと言われています)や、ユニーク性の高い『新明解国語辞典』などを代表として、様々な辞典が発行されています。

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参考: ウィキペディアフリー百科辞典